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胸部レントゲン検査で異常を指摘された

胸部レントゲン検査とは

胸部レントゲン検査とは胸部レントゲン検査とは、エックス線という電磁波を身体に照射して、心臓や肺、血管など様々な身体の状態を詳しく観察できる画像検査です。検出される画像はモノクロで、骨や臓器などのエックス線が通過しにくい部分は白く表示され、その他は黒く表示される特徴があります。なお、撮影時に衣類を着用していると衣類の一部が検出されてしまうため、検査中はレントゲンに映ってしまう一部の衣類や下着を外していただく必要があります。
また、胸部レントゲン検査の撮影の際には、瞬間的に息を吸い込んでいただいたり、息を止めていただいたりします。これは、息を吸い込むことで、肺が拡張して構造を把握しやすくなり、息を止めることで肺の動きを一時的に抑制し、鮮明な画像を映し出すことができるためです。


胸部レントゲン検査結果の見方

所見名 説明

陳旧性陰影
(ちんきゅうせいいんえい)

陳旧性陰影とは、以前に肺炎や結核などの炎症を起こした痕跡のことで、胸部レントゲン検査で検出することができます。

石灰化した影

過去に肺に炎症を起こし、その後改善した場合に、胸部レントゲン検査の際に、石灰(カルシウム)が沈着した痕跡が画像に検出されます。

胸膜肥厚

過去に肺に炎症を起こし、その後改善した場合に、胸部レントゲン検査の際に、肺を覆う胸膜が厚くなっているのを確認することができます。

肺嚢胞
(ブラ)

肺嚢胞(ブラ)とは、肺に袋状の嚢胞が発生する病気です。この嚢胞は、時間と共に破裂して気泡が発生する特徴があるため、胸部レントゲン検査で経過観察することができます。

心拡大

心拡大とは、何らかの原因によって心臓が拡大する病気です。心臓の横幅が胸の横幅の50%以上を占める場合、心拡大と定義されます。心拡大は、放置すると心不全を引き起こす恐れがあるため、注意が必要です。

側弯症
(そくわんしょう)

側湾症とは、脊椎に捻じれが生じて左右に曲がっている状態の病気です。

右胸心

右胸心とは、正常であれば左側に位置する心臓が、右側にある状態です。

右側大動脈弓

右側大動脈弓とは、正常であれば左側に位置する大動脈弓が、右側にある状態です。

円形陰影

円形陰影とは胸部レントゲン検査の際に検出される丸い影のことで、直径4cm以下のものを指します。この影が発見されると、肺結核や肺腫瘍を起こしている疑いがあります。

横隔膜高位・挙上

横隔膜高位とは、胸部と腹部の間にある横隔膜が、正常な位置よりも高い状態の病気です。先天的な異常である場合や結腸ガスの増加、肝臓腫瘍などによって引き起こされます。

間質性肺炎

間質性肺炎とは、肺胞壁や支持組織からなる間質が炎症を起こして肥大・硬化する病気です。

気管の圧排・偏位

気管圧排や偏位とは、周辺の臓器の影響で気管の一部分が左右のどちらかに曲がっている状態の病気です。主に、無気肺や縦隔腫瘍などの場合に見られる傾向があります。

気管支拡張像

気管支拡張症などによって気管支が拡張していると、胸部レントゲン検査の際に確認することができます。

気管狭窄

気管狭窄とは、何らかの原因によって気管が狭窄を起こしている状態です。先天的なものから後天的なものがあります。

気胸

気胸とは、何らかの原因によって肺に穴が空いて空気漏れを起こし、肺が萎んでしまう病気です。主に、ブラと呼ばれる肺嚢が破裂することによって生じます。

胸郭変形

胸郭変形とは、何らかの原因によって、胸郭という肺を取り囲んでいる部分が変形を起こす状態の病気です。先天的なものから、外傷や手術などによって引き起こされることがあります。

胸水

胸水とは、胸部に水が溜まる病気です。胸水が確認されると、胸膜炎や心不全、腎不全などの疑いがあります。

胸壁腫瘤影

胸壁腫瘤影とは、肺を囲む胸膜や筋肉、肋骨などにコブ状の影ができる状態です。胸壁腫瘤影が確認されると、胸膜腫瘍などの疑いがあります。

胸膜石灰化影

胸膜石灰化影とは、肺の周囲の胸膜が石灰化を起こしてカルシウムが沈着した状態です。胸膜石灰化影が確認されると、胸膜炎やアスベスト暴露、肺結核などの疑いがあります。

胸膜癒着

胸膜癒着とは、細菌やウイルスなどで胸膜が炎症を起こして癒着した状態です。胸膜炎や肺感染症の罹患歴がある場合に多く見られます。

空洞性陰影

空洞性陰影とは、肺の一部に穴が開いて空洞となっている状態です。肺結核や真菌感染などの疑いがあります。

結節影

結節影とは、直径2〜10mm未満の小さな円形の影のことを言います。主に、肺腫瘍や肺結核などの罹患歴がある場合に多く見られます。

縦隔拡大

縦隔拡大とは、左右の肺の間の空間である縦隔が拡大している状態です。腫瘍やサルコイドーシス、大動脈病変などの疑いがあります。

縦隔気腫

縦隔気腫とは、左右の肺の間の空間である縦隔に空気が入り込んだ状態です。主に、激しい嘔吐や肺損傷によって食道に穴が空くことで引き起こされます。

縦隔リンパ節腫大

縦隔リンパ節腫大とは、左右の肺の間の空間である縦隔のリンパ節が腫れている状態です。縦隔リンパ節腫大が確認されると、悪性リンパ腫やサルコイドーシスの疑いがあります。

縦隔リンパ節の石灰化影

縦隔リンパ節石灰化影とは、左右の肺の間の空間である縦隔のリンパ節が石灰化し、カルシウムが沈着した状態です。縦隔リンパ節石灰化影が確認されると、結核などの疑いがあります。

心陰影拡大

心陰影拡大とは、心臓の陰の幅が胸部全体の50%以上を占めている状態です。主に、肥満や心不全、心臓弁膜症などを発症した際に多く見られます。

浸潤影

浸潤影とは、肺が炎症を起こして肺に水が溜まった際に確認できる不鮮明な影です。浸潤影が確認されると、肺炎や肺感染症などの疑いがあります。

脊椎後・側弯症

脊椎後湾症・脊椎側湾症とは、脊椎が後方や左右に曲がった状態を言います。

線状・索状影

線状影とは太さ1〜2mmの影で、索状影とは太さ2〜3mmの影のことを指します。主に、肺感染症などの罹患歴がある場合に多く見られます。

大動脈拡張像

大動脈拡張像とは、大動脈の直径が拡大している状態です。大動脈拡張像が確認されると、大動脈瘤や大動脈弁閉鎖不全症の疑いがあります。

大動脈弓突出

大動脈弓突出とは、大動脈の上部が拡大し、弓のようにループを形成している状態です。大動脈弓突出が確認されると、動脈硬化や大動脈瘤などの疑いがあります。

大動脈蛇行

大動脈蛇行とは、大動脈が湾曲している状態です。大動脈蛇行が確認されると、動脈硬化や大動脈瘤などの疑いがあります。

大動脈石灰化影

大動脈石灰化影とは、大動脈が石灰化してカルシウムが沈着した状態です。大動脈石灰化影が確認されると、動脈硬化などの疑いがあります。

陳旧性胸膜炎

陳旧性胸膜炎とは、肺を取り囲む胸膜の炎症が治癒した際の痕跡を指します。

軟部陰影の異常

主に脂肪腫などが原因で、肺周辺の脂肪や筋肉が異常を起こすと、軟部陰影の異常が確認されることがあります。

嚢胞またはブラ

嚢胞とは、肺胞壁の異常によって生じる袋のことで、ブラとも呼ばれます。嚢胞が破裂すると、気胸を引き起こします。

肺過剰拡張

肺過剰拡張とは、主に肺気腫などを発症した際に、肺全体が膨張を起こした状態です。

肺気腫

肺気腫とは、肺胞壁が破壊された状態の病気です。主に、長期間の喫煙などが原因で発症します。

肺血管影異常

肺血管影異常とは、何らかの原因によって肺血管の太さに異常が生じた状態です。肺血管陰影が増強している場合は、心臓機能が低下している恐れがあります。一方、肺血管が見えにくいほど細くなっている場合は、肺気腫の疑いがあります。

肺腫瘍

肺に生じる腫瘍が肺腫瘍です。良性と悪性の場合があり、CT検査などで判定することができます。

肺門部腫大

肺門部腫大とは、左右の肺の内側の部分が腫れる状態です。この肺門部には、気管や血管の出口がある他、多くのリンパ節が集中しています。肺門部腫大が確認されると、肺結核や肺腫瘍、サルコイドーシスなどの疑いがあります。

肺門部石灰化

肺門部石灰化とは、肺門部が石灰化を起こしてカルシウムが沈着している状態です。肺門部石灰化が確認されると、肺結核やサルコイドーシスなどの疑いがあります。

肺紋理増強

枝状の肺血管が、網目のような複雑な模様に見えることを肺紋理増強と言います。主に、心不全や気管支周辺の炎症、肺腫瘍などを発症した際に引き起こされます。

肺野透過性の亢進

肺野透過性とは、肺が正常な状態よりも黒く見える状態です。主に、肺気腫などを発症した際に、肺野透過性が強くなる傾向があります。

びまん性粒状影

びまん性粒状影とは、直径数mm以下の粒状の影が多数見える状態です。びまん性粒状影が確認されると、びまん性汎細気管支炎や肺結核などの疑いがあります。

びまん性網状影

びまん性網状影とは、肺の間質の異常によって網目状の模様が広がる状態です。びまん性網状影が確認されると、肺線維症やサルコイドーシスなどの疑いがあります。

ペースメーカー装着

心臓にペースメーカーを埋め込んでいると、胸部レントゲン検査の際に造影が映し出されます。

無気肺

無気肺とは、何らかの原因によって気管支が閉塞を起こし、肺が空気不足に陥って潰れたような状態になる病気です。主に、肺腫瘍や異物の混入などが原因として挙げられます。

漏斗胸

漏斗胸とは、胸部中央の胸骨が内側に陥没する先天性の異常です。


胸部レントゲン検査でわかる病気

肺がん・肺腫瘤

胸部レントゲン検査で、結節性陰影や浸潤性陰影が確認された場合には、肺がんや肺腫瘤を起こしている恐れがあります。結節性陰影は、これらの他に、良性腫瘍や肺結核、非結核性抗酸菌症、肺真菌症などの病気でも確認されることがありますが、腫瘍の疑いがある場合は精密検査を行い、良性か悪性かを鑑別する必要があります。
一方、浸潤性陰影とは、ぼんやりとした不明瞭な陰影のことで、主に、肺に水が溜まっている際に確認されます。肺に水が溜まる原因としては、肺炎や肺がんなどが挙げられます。

慢性閉塞性肺疾患(COPD)、慢性気管支炎、肺気腫

慢性閉塞性肺疾患(COPD)や慢性気管支炎、肺気腫などの肺疾患は、主に、長期間に及ぶ喫煙習慣によって肺組織や気管支が損傷を起こす病気です。胸部レントゲン検査を行うと、壊れた肺組織や気管支の異常などが検出されます。
肺組織は、一度破壊されると二度と再生しません。そのため、これらの肺疾患が疑われた際には、直ちに禁煙を行って病状を食い止めることが重要です。放置して病状が進行すると、慢性的な呼吸困難に陥り、酸素を供給するための手術療法などが必要となりますので、注意が必要です。

結核

結核とは、肺が結核菌に感染することで引き起こされる感染症です。結核は、活動性肺結核と陳旧性肺結核の2種類に分類されます。活動性肺結核は他者へ感染する恐れがあり、陳旧性肺結核は他者への感染の恐れはありません。
結核になると、胸部レントゲン検査によって特徴的な影が検出されます。結核は、現在では適切な治療を行うことによって、半年ほどで根治できる病気ですので、特に、周囲に感染させる恐れのある活動性肺結核の場合は、早急に医療機関を受診し、治療を開始することが重要です。

非結核性抗酸菌症

非結核性抗酸菌症とは、結核菌とライ菌以外の抗酸菌に感染することで引き起こされる感染症です。結核菌と異なり、他者への感染の恐れはありません。
主な症状は、発熱や咳、血痰、倦怠感など、結核と類似した特徴があります。胸部レントゲン検査やCT検などを行うと、結核と似た影が検出されますが、両者の特徴が似ていることから鑑別が難しいため、痰や病変組織を採取し、詳しい状態を確認する必要があります。

サルコイドーシス

サルコイドーシスとは、全身の様々な場所に肉芽腫というしこりができる病気で、現在では、はっきりとした発症原因は明らかになっていません。肺に肉芽腫が生じた場合には、多くは無症状ですが、心臓に生じた場合は心臓サルコイドーシスと呼ばれ、重篤な不整脈や心臓の機能低下が生じます。専門的な検査や治療が必要となります。

甲状腺がん

甲状腺がんとは、喉仏付近の甲状腺に発生する悪性腫瘍です。甲状腺がんを発症すると、胸部レントゲン検査を行った際に、気管が左右にずれるなどの症状を確認できます。しかし、このような異常は、他の病気でも現れることがあるため、確定診断を行うためには血液検査やエコー検査などを実施し、更に詳しい状態を確認する必要があります。


胸部レントゲン検査で異常を指摘された方へ

胸部レントゲン検査で異常を指摘された方へ胸部レントゲン検査を行った際に肺の異常を指摘された場合は、更に詳しい状態を調べる必要があります。胸部レントゲン検査の結果の判断は、医師によって異なる場合があり、正常と判断されることや異常を指摘されることがあります。
そのため、検診などの胸部レントゲン検査で異常を指摘された場合は、再度胸部レントゲン検査を実施し、異常の有無を確認します。再検査においても異常が指摘された場合には、精密検査によって更に詳しい状態を確認する必要があります。
なお、精密検査が必要と判断した場合は、当院と連携する高度医療機関をご紹介いたします。


胸部レントゲン検査のよくある質問

胸部レントゲン検査でわかることはなんですか?

胸部レントゲン検査では、心臓や肺、血管の状態などを確認することができます。主に確認できる病気は、心不全や心肥大などの心疾患や、肺炎や肺結核、気管支炎、気胸、胸膜炎、肺気腫、肺線維症、肺がんなどの肺疾患、胸部大動脈瘤などの血管疾患が挙げられます。

胸部レントゲンでひっかかったらどうすればいいですか?

胸部レントゲン検査で異常を指摘された場合には、CT検査などの精密検査を実施して更に詳しい状態を確認することを推奨しています。胸部には多くの臓器や血管、肋骨などが集中しているため、胸部レントゲン検査を実施した際に気になる影が写ったとしても、必ずしも病気が原因と確定診断することはできません。
当院では、胸部レントゲン検査の結果、精密検査を行う必要があると判断した場合には、連携する高度医療機関をご紹介いたします。

胸部レントゲン検査時の注意点はありますか?

アクセサリーなどの金属類やブラジャーなどのプラスチック類、カイロ、湿布などを着用していると、画像に写り込んでしまうことで検査精度が低下します。そのため、検査時にはこれらをすべて外しておく必要があります。

胸部レントゲン検査で肺に影があると指摘されたのですが、がんの可能性はありますか?

がん検診で胸部レントゲン検査を実施した際、肺に影があると指摘される確率は2~3%程度という報告があります。ただし、実際に肺がんである確率は0.03〜0.05%ほどのため、異常を指摘されたとしても必ずしも肺がんであるとは断定できません。

胸部レントゲン検査で息を止めるのはなぜですか?

胸部レントゲン検査の際に息を吸ったり吐いたりするのは、調べたい場所を大きく映し出すためです。なお、肺の状態を調べたい場合には、肺を大きくするために息を吸っていただきます。