胸痛・胸が締め付けられる重苦しい痛みとは
胸痛や胸が締め付けられるような痛みは、狭心症や心筋梗塞、心不全、心臓弁膜症、大動脈解離など様々な病気で現れる症状です。これら病気の中には、命の危険を伴う重篤なものも多いため、注意が必要です。
特に、突然の激しい胸痛とともに冷や汗や脂汗が出ている場合には、緊急性を伴う可能性が高いため、早急に救急車を呼ぶようにしましょう。
以下の症状がある方は受診ください
- 胸に苦しさを感じる
- 胸が締め付けられるような感覚がある
- 胸に圧迫感が生じている
- 歯〜首の範囲に放散的な痛みが生じている
- 激しい肩こりが生じている
胸痛・胸が締め付けられる原因
心臓・血管の病気
虚血性心疾患(狭心症・心筋梗塞)
虚血性心疾患とは、動脈硬化などが原因で心臓の冠動脈が狭窄や閉塞を起こす病気です。狭窄を起こした狭心症の場合は、運動時に前胸部の中央あたりの範囲で胸の圧迫感や締め付けられるような痛みなどが現れますが、数十秒〜数分で自然に消失します。また、中には睡眠時に同様な症状が現れることもあります。
一方、閉塞を起こした心筋梗塞の場合は、これら症状がより激しい上、長時間持続します。また、胸痛の他にも動悸や息切れ、呼吸困難、冷や汗などを伴うことも多く、早急な治療が必要になります。
大動脈解離
大動脈解離とは、動脈硬化などが原因で大動脈が内膜を境に裂ける病気です。発症すると突然激しい胸痛を引き起こし、次第に痛みの範囲が拡大して失神や意識障害を起こすこともあるため注意が必要です。
心膜炎
心膜炎とは、心臓の表面にある心膜が炎症を起こす病気です。主な症状は、胸を張るなどの体動時に生じる鈍い胸痛です。主な原因はウイルスや細菌、自己免疫疾患などがあります。
急性肺血栓塞栓症
急性肺血栓塞栓症とは、足の静脈で発生した血栓が血流に乗って肺の血管まで到達し、血管が閉塞を起こす病気です。発症すると突然の胸痛や呼吸困難などの症状が現れるようになります。
胸・胸膜の病気
肺炎
肺炎とは、肺の一部に炎症が生じる病気です。主な症状は、発熱を伴う咳や痰、呼吸苦ですが、吸気時に生じる鈍い胸痛もあります。細菌、ウイルス、真菌、その他の微生物によって引き起こされることが多いです。
胸膜炎
胸膜炎とは、肺の表面にある胸膜が炎症を起こす病気です。主な症状は、吸気時に生じる鈍い胸痛です。主な原因はウイルスや細菌感染、自己免疫、悪性腫瘍などがあります。
気胸
気胸とは肺から空気が漏れる病気です。一般的に、痩せ型の若年男性や肺気腫などの呼吸器疾患に罹患している中高年に多く見られる傾向があります。
主な症状は、突然の激しい胸痛や息苦しさなどで、深呼吸をすると痛みが増す特徴があります。
食道・胃の病気
逆流性食道炎
逆流性食道炎は、胃酸や食物が食道に逆流して炎症を起こす病気です。主な原因は食道裂孔ヘルニアや胃酸の過剰分泌や過食などがあります。症状としては、胸焼け、ゲップ、喉のつかえ感、胃もたれと共に、起床時の胸痛などがあります。治療には、生活習慣の改善や薬物療法が行われます
胃炎
胃炎とは胃の粘膜が炎症を起こす病気です。原因としてヘリコバクター・ピロリ菌感染、アルコールの過剰摂取、非ステロイド性抗炎症薬の服用、過食などがあります。症状としては、胃痛、胃もたれがあげられ、胸痛として訴えることもあります。
神経・筋肉・骨の病気
肋骨骨折
スポーツや事故、激しい咳などによって肋骨が骨折すると、胸痛を引き起こします。肋骨骨折の胸痛は、安静時にはズキズキするような鈍い痛みが続き、咳や深呼吸、体位を変える、患部を指で押すなどで痛みが増す特徴があります。
症状の程度によって当院では対応できない場合もあるため、その際は、連携する高度医療機関をご紹介いたします。
肋間神経痛・帯状疱疹
肋間神経痛とは、何らかの原因によって肋骨を走る肋間神経が障害を起こす病気です。主な症状は胸痛で、痛みが胸の片側に寄る特徴があります。また、咳や深呼吸、体位を変えるなどで痛みが増すこともあります。
肋間神経痛は、主に帯状疱疹によって引き起こされます。帯状疱疹とは、子どもの頃に水痘ウイルスに感染した後、ウイルスが数十年間体内に残留し、加齢などによって身体の抵抗力が低下した際に再活性することで発症する感染症です。主な症状は、全身の局所的な痛みや発疹などですが、ウイルスが肋間に潜むことで肋間神経痛を引き起こすこともあります。
肋間神経痛は治療が遅れると痛みが残存してしまう特徴があるため早期の治療が必要です。また帯状疱疹に対するワクチン接種による予防が重要です。
悪性腫瘍
肺がんや胃がんなどで激しく持続する胸痛を引き起こす場合があります。
精密検査や治療の際には、当院と連携する高度医療機関をご紹介いたします。
心因性によるもの
検査で異常が見つからないにも関わらず胸痛を引き起こしている場合は、心因的な原因が考えられます。過度なストレスの蓄積や緊張状態などによって精神的負荷がかかると、動悸や息切れ、胸痛などを引き起こすことがあります。また、極度の緊張などで過呼吸状態に陥る過換気症候群を発症した際にも、胸痛などの症状が現れることがあります。
胸痛・胸が締め付けられる痛みの検査
胸痛を引き起こす原因疾患は多岐に渡るため、まずは検査によって原因を特定することが大切です。
主な検査は、血液検査や心電図検査、心エコー検査、胸部レントゲン検査などになります。多くの場合は、これらの検査によって原因は判明しますが、確定診断に至らなかった場合には、胸部CT検査やMRI検査などの精密検査を実施することもあります。
なお、精密検査が必要と判断した場合は、当院と連携する高度医療機関をご紹介いたします。
血液検査
血液検査では、心臓の疾患のみならず、感染、自己免疫疾患や筋骨格系の疾患の鑑別に有用です。特にNT-proBNPや心筋トロポニンは心臓に疾患がある場合に上昇する特徴があるため、これら数値を計測することで、原因疾患を特定することができます。
心電図検査
心電図検査は、身体の上から電極を取り付けて心拍や脈拍の状態を確認する検査です。胸痛の原因が狭心症や心筋梗塞、不整脈の場合は、心電図検査に特徴的な波形が検出されるため、原因疾患を特定することができます。
胸部レントゲン検査
胸部レントゲン検査は、心臓や肺、大動脈などの状態を確認できる画像検査です。そのため胸痛の原因疾患である肺炎や大動脈解離、肋骨骨折などを特定する際に有用です。
心エコー検査
心エコー検査とは、胸部に超音波を照射して心臓の状態を確認できる検査です。心臓のサイズや動き、血流、心臓弁などの状態を確認できるため、胸痛の原因疾患が心筋梗塞や心臓弁膜症、心不全などの場合は、心エコー検査によって特定することが可能です。
胸痛はどの科をかかったらよいでしょうか
胸痛の原因となる病気は多岐に渡り、症状によって経過観察で良いものから緊急手術が必要なものまで様々です。特に、我慢できないほどの激しい胸痛が持続している場合は緊急性を伴うため、早急に救急病院を受診するようにしましょう。
症状が比較的軽度な場合は、できるだけ早い段階で医療機関を受診し、原因を特定するようにしましょう。
気になる症状が現れている場合や何かご不明な点がございましたら、お気軽に当院までご相談ください。
胸痛・胸が締め付けられる痛みのよくある質問
胸が締め付けられる原因は心臓や肺の病気によるものですか?
胸痛や胸の違和感の原因は様々ですが、心臓・肺の異常の可能性があります。特に、息苦しさや胸の圧迫感、胸を締め付けられるような痛みを伴う場合は、狭心症や心筋梗塞、心不全、心臓弁膜症、大動脈解離などの心疾患が疑われます。このような症状が現れた際は、できるだけ早い段階で当院までご相談ください。
胸の真ん中が痛む原因は狭心症ですか?
胸の真ん中に痛みが生じている場合は、狭心症の可能性があります。狭心症とは、動脈硬化などが原因で、心臓の冠動脈が狭窄を起こしている状態の病気です。しかし胸痛の原因となる病気は様々です。できるだけ早い段階で検査を行い、治療が必要な病気かどうかの判断が必要です。
狭心症の前兆はありますか?
狭心症の代表的な初期症状は、軽い胸痛や胸の圧迫感などです。ただし、これらは数分程度で自然に治まることが多いため、自己判断で放置してしまい、心筋梗塞など重篤な病気へと進行させてしまう恐れがあります。
そのため、少しでも胸に違和感が生じたら、できるだけ早い段階で医療機関を受診し、検査や治療を行うことが大切です。
心筋梗塞の前胸部痛とは何ですか?
心筋梗塞とは、動脈硬化などが原因で心臓の冠動脈が閉塞を起こす病気です。心筋が壊死することで、骨折や外傷とは異なる感覚の前胸部痛が現れることがあります。また、前胸部以外にも、心臓の奥やみぞおちの他、頬や喉、左肩にも痛みを伴うことがあります。その他、胸痛とともに息苦しさや吐き気、冷や汗などの随伴症状を伴うこともあります。
心筋梗塞の前兆はありますか?
心筋梗塞を発症した患者さまの約半数は、発症の1~2か月前に胸痛や胸の圧迫感などを経験していると報告されています。しかし、残り半数は特に気になる自覚症状が現れず、ある日突然心筋梗塞を発症します。また、高齢者や高血圧・糖尿病に罹患している場合にも、自覚症状なく突然心筋梗塞になることがあります。
ストレス性胸痛とはどういったものですか?
胸痛を起こしているにも関わらず、検査で特に疑わしい病変が発見されない場合は、ストレスなどの心因的要因による心因性胸痛、胸痛症候群の可能性があります。しかしこの診断はさまざまな胸痛を引き起こす病気に対する検査を行ったうえで診断されますので、まずは医療機関を受診することが大切です。